2018年にqruppoの処女作として発表され、後に角川グループによるまさかのアニメ化(18禁OVAではなく、全年齢作品)まで発表された「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?」と、そのアフターストーリーを収録した続編、「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?2」を現行OSであるWindows 11に対応させた上でゲームエンジンを変更することにより、演出の強化とバックログジャンプ・お気に入りボイス機能の実装を行ったリマスター版が6月28日に発売しますが、ゲームエンジンの変更に伴いシステム要件も変更されています。
実はオリジナル版もWindows 10時代にリリースされたタイトルなので、当初同バージョンの大型アップデート(“Sun Valley 2021 October Update Version 21H2”)として開発されていた経緯があるWindows 11でも問題なく動作するのですが、そのオリジナル版の最低システム要件は以下の通りとなっていました。
OS:Microsoft Windows 7/8.1/10
CPU:Intel Pentium 4(※「ぬきたし2」ではCore 2 Duoに変更)
RAM:4GB
HDD:4GB以上の空き容量(※ぬきたし2は8GB以上)
GPU:指定なし
2D系エロゲとしては標準的なシステム要件で、当時販売されていた低価格PCでよく採用されていたCherry Trali世代のAtom(x5-z83xx・85xx、x7-87xx)でも快適に動作したのですが、今回のリマスター版では
OS:Microsoft Windows 10/11
CPU:8th Gen Core iシリーズ以上
HDD:20GB以上の空き容量
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti以上“必須”
と、最新の一般向けAAAクラスタイトルと同じスペックまで跳ね上がってしまっています。
おそらくqruppo公式サイトに掲載されている構成はデスク向けCPU・GPUを想定しているものと思われ、モバイル用GeForce 1660 Tiでは性能がデスク用の半分程度に落とされていることからノートPCでプレイする場合、実質「GeForce RTX 2xxxシリーズ必須」と考えた方が良さそうです。
現在販売されているモバイルノートだとCPU自体は問題ありませんが、Coreシリーズで採用されているIntel UHD Graphics/Iris Xe Graphics/Intel Arc Graphics、Ryzenシリーズで採用されているRadeon Graphics(RDNA2)ですら現状届いていないため、ゲーミングデスク・ノートでないと最低設定ですらプレイ出来ないという、2D系エロゲとしては異様にハードルが高すぎるシステム要件になってしまっています。
当然リマスター版で淳くんやアサちゃん、わたちゃんがトゥーンレンダリングを用いて3D化された!・・・というわけではありませんし、ゲームエンジン自体は上記最低動作要件よりさらにスペックが低いすいっちっちーもサポートしている「Artemis Engine」を採用しているので正直、ここまでシステム要件が跳ね上がっている理由が理解できません。
実は今年の2月にHシーンを削除した実質初の「全年齢版」ぬきたし1・2の英語版がSteamで配信されているのですが、この時点でゲームエンジンがArtemis Engineに変更されたほか、システム要件も上記のものに変更されています。今回のリマスター版はこれに削除されたHシーンを追加し、日本語対応に「戻した」ものになりますが・・・
一般向けPCゲームもプレイしていたり、3Dグラフィックを用いたエロゲをプレイしているというユーザーさんであれば上記システム要件をクリアするのは容易ですが、2D系エロゲを主にプレイしているユーザーさんはほとんど「最低設定に落としてもプレイ出来ない」ということになってしまいます。
現在販売されている最新モバイルノートですら、GPUの要件をクリアできませんし、2D系エロゲなのに10万以上するゲーミングPCに乗り換えないとプレイ出来ないというのは正直、異様です。一応中古であればもっと安価にこの構成をクリアできるゲーミングPCを購入することは出来ますが・・・
2D系エロゲとしてはあまりに敷居が高すぎるというのが正直な感想です。追加要素も正直、「あれば便利」ではあるものの必須というわけではありませんし(立ち絵鑑賞モードもないし・・・)、オリジナル版も前述の通りWindows 11で特に問題なく動作するので、正直今回のリマスター版はちょっとお勧めできません・・・ぬきたし自体は間違いなく名作なのですが・・・
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