原神のニンテンドーすいっちっちー版はおそらくもう出ない − 現在リリースされているタイトルから判断するすいっちっちーの限界

すいっちっちーでのリリースを今でも待っているという方も多いとは思割れるが・・・ iOS
すいっちっちーでのリリースを今でも待っているという方も多いとは思割れるが・・・

発表から4年が経過したこともあって、おそらくその存在を忘れてしまっている方も多いかと思われますし、もしかすると開発元のmiHoYoにすら忘れ去れている可能性すらありそうですが、「原神」はニンテンドーすいっちっちーでもリリースされる“予定”でした。

発表時点ではアナウンスされていたが・・・

現在でも積極的にアップデートしている上に、スマホ版もPC版も要求されるハードウェアスペックが高めと言うこともあって、2024年現在でも一種ベンチマークソフトとして活用されていますが、実は発表されたのは2020年9月28日(注:日本における各プラットフォームでのリリース日)となるので、以外と歴史が長いタイトルということになります。

リリース時点でマルチプラットフォームでの展開を前提にしていたタイトルで、Windows、XBOX One/Series S|X、PlayStation 4(翌年2021年にPlayStation 5のサポートが追加)、Android、iOS/iPad OSがリリースされていたほか、2020年1月に発表された時点ではニンテンドーすいっちっちー版もリリースするとしていました。

ただし、発表されたのは良いのですが、2020年9月のローンチ時にすいっちっちー版がリリースされることはなく、4年が経った現在でも開発状況がどうなっているのか、そもそも本当に開発が継続されているのかということも含め、続報がほぼ報じられなくなりました(一応国内ゲーム情報サイト、AUTOMATONさんが2022年に「すいっちっちー版の開発はまだ継続している」と報じられていますが、それ以降再び情報が途絶えています)。

『原神』Nintendo Switch版は開発中止にはなっていない。miHoYoがコメント:AUTOMATON

一応ティザーサイト自体は残っていますが、発表時から全くメンテナンスされていない状態になっている上、公式サイトでは対応プラットフォームからすいっちっちーの名前が消されているので、おそらく現状も踏まえると「現行」すいっちっちー版原神の開発は打ち切られていると考えた方がいいでしょう。

今のすいっちっちーはもはやミッドレンジスマホ“以下”の性能

すいっちっちー
「え?もう7年経ったの?」という感想しかないが、実は発売からかなり時間が経過している。

そもそも任天堂すいっちっちーがリリースされたのは2017年3月3日なので、今となってはハードウェア性能が高いとは言えなくなってきています。

元々任天堂という会社自体、「グラフィックよりもゲームとしての楽しさ」を重視しているので、発売時点でも当時の競合機・・・PlayStation 4/XBOX ONE X(いずれもIntel x86アーキテクチャのAMD APUとRadeonベースのカスタムGPUを採用)より性能が劣るNVIDIA Tegra X1ベースのカスタムSoCを採用していましたが、それでGeForce GTX9xxシリーズと同じ”Maxwell”世代の内蔵GPUを搭載していたこともあり、当時のハイエンドスマートフォン(時期的にちょうどSnapdragon 835/Apple A11 Bionicが該当)と比較すれば高い性能を有していました。

ただIT関連の技術進歩は早いので、あっという間にハイエンドスマートフォンに搭載されるSoCの性能はTegra X1を上回るほど高性能化し、今では2〜3万円台で購入出来るミッドレンジクラスの製品にすら追い抜かれてしまっています。

もちろんゲーム専用機とスマートフォン/タブレットでは利用用途が異なるので、例えば2020年にリリースされた「Mortal Kombat 11」では他機種版よりグラフィックの質は低下したものの、極端に劣化させることなく同一の内容でのリリースを実現していましたし、おそらくmiHoYoも2020年1月の段階では「すいっちっちーでも(ある程度グラフィックは妥協する必要はあるにせよ)十分リリースできると考えていたのではないかと思われます。

ただし、競合機が世代交代し、ゲーミングPCの性能も向上するにつれ、リリースされるゲームのグラフィックもより高画質化が進んだ結果、旧態化したすいっちっちーでのリリースを取りやめた(あるいは最初から対応プラットフォームに入れていない)タイトルが出始めました。

カプコンの「バイオハザード」シリーズの場合、「7」「VILLEGE」「RE2」「RE3」はサーバー側でグラフィックを処理させるクラウド版という形ですいっちっちーに対応させていますし(当然オフラインプレイは不可能)、原神と同じく当初すいっちっちーでもリリースすることがアナウンスされていた「TEST DRIVE Unlimited Solar Crown」も似たような状況になってしまっています(発売予定にはなっているが続報がない)。

・・・おそらく「TD:SC」の場合、PlayStation 4/XBOX ONE版が「ゲーム性の向上」を理由に開発中止となっているので、アナウンスされていないだけですいっちっちー版の開発も中止したと判断した方が良さそうな気がします。かのあゆはもう諦めています・・・

前述の「Mortal Kombat 11」の続編となる「Mortal Kombat 1」はすいっちっちー版が無事、他機種版と同時発売しましたが、「MK11」のすいっちっちー版と比較してもグラフィックが大幅に劣化し、海外ユーザーから「フルプライスでこんな劣化版つかまされるのかよ!」とか「ニンテンドーよ!グラフィックよりゲームの質を重視した結果がこれだ!気分はどうだ!?!?!?!?」などと酷評される結果になりました(かのあゆも当初すいっちっちー版を購入するつもりだったのですが、YouTubeのプレイ動画を見て購入するのをやめています)。

・・・念のため言っておくと、すいっちっちー版は「MK11」で素晴らしい仕事をしたShiver Entertainment/Saber Interactiveが引き続き開発を担当していて、現在では他機種版に存在するバトル前の会話シーンをカットするなどしてロード時間が大幅に短縮し、叩かれていたグラフィックに関しても改善されているので決して妥協していたわけではなく、むしろ妥協せず他機種版と同一内容を実現した結果無理が生じてしまったのではないかと予想しています。

原神は発売時点でも相当重いタイトルでしたが、現在でも頻繁にアップデートしていて、グラフィックの質もリリース当初よりさらに向上しているので、発売当時のバージョンでは高画質設定でスムーズに動作したSnapdragon 888+搭載機、ろぎーーー!ふぉん5sでも一部フレーム落ちが見られるようになっています(それでも十分動くよ!ろぎいすごいや!)

グラフィックが実写に近いMK1とは異なり、原神の場合はアニメ調のグラフィックなので、ある程度テクスチャーの質を落としても問題は無いとは思うのですが、そもそもデータファイルの容量もモバイル版で30GBと大きくなっているので、もはや現在のすいっちっちーでリリースするのは厳しいというか、不可能でしょう(カスタムFWを導入してアンヨヨイヨ化した上で原神を動かしている動画がYouTubeで上がっていますが、まぁそういうことです・・・)

多分出るとしたらすいっちっちー後継機

いくらモデルライフを長く設定している任天堂とはいえ、現行すいっちっちーではそろそろいろいろと限界を迎えてきているので、おそらく早ければ今年、遅くとも2〜3年以内に各メディアで噂されているすいっちっちー後継モデルが投入されるのではないかと予想しています。

任天堂もAppleと同じく外部からの情報リークに厳しいメーカーなので、現時点で出回っている情報を見てもクソの役に立たないと思っているのですが(すいっちっちーがコードネームの”NX”と呼ばれていた頃もほとんどの自称リーク情報が外れています)、PlayStation 4/XBOX ONE Xと同等程度の性能は有しているという情報は今まで同社が出してきたハードの方向性を踏まえても現実的にあり得るのではないかな・・・と思っています。

先に世代交代を果たしているPlayStation 5/XBOX Series S|Xと比べれば性能的には劣っているとはいえ、「原神」であれば十分移植できるとは思いますし、おそらくmiHoYo側でも開発キットなども受け取っているとは思うので、任天堂ハード版「原神」自体は今後リリースされるのは間違いないと思います。

・・・ただし現行すいっちっちー版はほぼ世に出ることがないのが確定していますし、今すぐプレイしたいのであればSnapdragon 888を搭載するあくおすR6あたりが2万円で購入出来るようになっているので、モバイル版を購入した方が早いでしょう。

逆に言えば限界を迎えているハードで「ティアキン」のようなタイトルを出せる任天堂はやっぱすげぇ会社なんだなぁと感心してしまいますが・・・

関連リンク

原神(すいっちっちー版)ティザーページ

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