Appleの初代Macintosh(Macintosh 128K)の発表から40年を迎えました。米国・カリフォルニア州クパチーノにあるフリントセンターで今は亡きスティーブ・ジョブズ氏自身の手により各種デモが行われ、日本でも同年6月より当時Apple製品の国内正規代理店であったキャノン販売より発売が開始されています。ちなみに当時の販売価格は約70万円でした。この頃と比べればアインホホ15プヨなんて安いダルルォ?!?!?!?!?!??!?
ただし、この頃はまだ日本語へのローカライズが間に合っていなかったため、英語版OSのまま販売されています。後ほど日本語OSをリリースすることを既にアナウンスしていたとはいえ、日本語を処理できないPCに70万という値段を投資できる方がどれだけいたか不明ですが・・・
キャノン販売がマイナーチェンジモデルのMacintosh 512Kをベースにして漢字ROMを搭載し、エルゴソフトの日本語入力ソフト「EGBridge」をバンドルする形で勝手に日本語化した「DynaMac」を経て、Apple自身の手により日本語にローカライズされた「漢字トーク 1.0」がリリースされるのは、初代Macintosh 128Kの発表から2年ごとなる1986年1月に発表された「Macintosh Plus」と一緒のタイミングでした(日本版Macintosh PlusにはわざわざROMを128Kから256Kに増設した上で、そこに漢字フォントを突っ込んでいたようですが、漢字ROMがないモデルでも問題なく動作します)。
一応漢字トークの前に英数字とカタカナしか表示できない、やろうと思えばリソースエディター(ResEdit)で自作できるやる気の無いローカライズ版、「カナTalk」をリリースしようとしていたようですが、Macの魅力を大幅にスポイルするだけで何のメリットもないので開発中止になって良かったと思っています・・・
現在でこそmacOS(以前はMacOS、OS X、Mac OS X)と名乗っていますが、この頃は正式な名称がなく、単純に「System 1.0」という名称で呼ばれていました。
初期バージョンで採用されていたファイルシステム、Macintosh File System(MFS)では現在では当たり前の要素である、ディレクトリの作成に対応していなかったのですが、擬似的な形でデスクトップやフロッピーディスク内にフォルダを作成することが可能になっていました。
先に投入されていたLisaのLisa OSを継承しつつ、より初心者でも操作しやすいUIになり、ベースOSがUNIXに変更されたMac OS X(macOS)でも継承されています。というより、1984年の時点で今のMacの要素はすべて完成していました。
Macintoshプロジェクトが立ち上がったのは1978年のことで、当初開発に関わっていたビル・アトキンソン氏はUNIXやMS-DOSと同じく、CUIベースのOSを搭載することを考えていたようですが、1981年12月にジョブズ氏が開発チームに加わった結果、コンピューターに全く触れたことがない、初心者でも簡単に操作できるGUIベースのUIを採用する形に方向転換しています。
これはジョブズ氏がパロアルト研究所で「世界初となる」GUIベースのOSを搭載していたXerox Altoを見てその操作性に惚れ込んだことがきっかけになっていますが、もしジョブズ氏がAltoに出会わなかったら、あるいはアトキンソン氏の構想通り、CUIベースのOSを初代Macintoshに採用していたら、もしかするとパソコンはまだギークのおもちゃのままだったかもしれません。それはそれで面白かったとは思うけど・・・
Macintosh 128Kは今見ても素晴らしい製品ですし、この子がいなければ今のまくぶくえあえあ、まくぶくぷろ、iMacはもちろんのこと、アインホホもアイパヨもりんごどけーも存在しなかったことを考えると偉大なことではあるのですが、商業的には成功したとは言えず、その結果ジョブズ氏は自身がペプシコーラ社から引き抜いたジョン・スカリー氏に追い出されてしまい、NeXTコンピューター社を設立しているので、実はMacという製品にジョブズ氏が関わったのは初代モデルとなるMacintosh 128Kと、1997年に暫定CEOに復帰してから投入されたPowerBook G3からガンで亡くなる2011年に投入されたモデルまでと短かったりします。
とはいえ、初代モデルの思想は(結局一般ユーザーが触れられるビルドがリリースされないまま終わった“真”Mac OS 8ことCoprand、あるいは「世界一売れなかったゲーム機」として有名なpipinのような失敗作は生み出してしまいましたが)ジョブズ氏不在だった時代のMacでも受け継がれ、「Macintosh Classic」「Macintosh Quadraシリーズ」「Macintosh SE/30」「カラクラちゃん!Macintosh Color Classic」のような名機も生まれましたし、ジョブズ氏がいなくなって13年が経過した今でも、「使っているだけ楽しい」と思える点はしっかり継承されています。
君がいなかったら、今の相棒達(まくぶくえあえあ、アイパヨプヨ、アインホホ13ろり)は存在しなかったよ・・・生まれてくれてありがとう。40歳のお誕生日、おめでとう・・・
関連リンク
Apple:日本公式サイト
コメント