GIGAZINEさんやItmediaさんといった大手メディアでも既に話題になっていますが、MicrosoftがWindows 10に拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の提供を発表しています。
クライアントOSとしてのWindowsだけでなく、組み込みOSのEmbedded/IoTシリーズや、サーバーOSであるWindows Serverにも提供されているもので、やむを得ない事情で現行OS(今回の場合はWindows 11)に移行できない企業ユーザーを対象に、有償でセキュリティアップデートを3年間提供するサブスクリプション制サービスです。
以前はやはり企業で利用しているユーザーが多かったWindows XPやWindows 7でも提供されていました。
逆に一般ユーザーからも企業ユーザーからも嫌われていたびすたけVistaやWindows 8.x(完全に失敗作だったWindows RT含む)ではESUは提供されず、延長サポートが終了した時点でOSとしての完全な死を迎えています。なんでやびすたんも8/8.1もいい子やろ!ただ8.x系はタブレットユーザーを想定してスタートメニューを廃止しちゃったからその辺が企業ユーザーには受けなかったんだろうなぁ…
ESUはあくまで企業ユーザーを対象にしたプログラムだったので、Windows 7まではボリュームライセンス契約が必須でしたし、そもそも家庭ユーザー向けのHome系列は対象外だったのですが、今回はWindows 10 Homeを使用している個人ユーザーにも提供を“検討”しているようです。
そりゃね。いきなり方針変えて現役で使えるPC達を処刑する身勝手の極意な行為やってくれたんだからこれくらいやってくれないと困るし、本来であれば、サブスクリプション製のサービスで延命するのではなく無償サポート期間を、せめて1〜2年くらい延長すべきだと思うんですけどね…
ただ、現時点では延長サポート期間中なのでMicrosoftからWindows 10 ESUの具体的な詳細は一切アナウンスされていませんし、サポートギリギリになって「やっぱり一般ユーザーにESU提供するのやーめたwww最新OSに乗り換えろやwww」なんてまさに外道な行為をやってくる可能性もあります。
現時点では2025年10月までどうなるかわからない点が多すぎるので、正直あまり期待はしない方がいいと思います。
…さすがにまだまだ現役でいけるとは言え、Windows 10の延長サポート期間が終了する2025年10月になるとSky/Kaby Lake世代の子達もそろそろ限界を迎えてきますし、ソフトメーカーからすれば最新技術に対応していない旧OSをわざわざサポートする義理もないので、拡張サポートが終了した時点でWindows 10を動作対象から外すソフトが出てくることになります。
特に個人向けセキュリティ対策ソフトは基本的に「無償サポート期間」が提供されているOSのみを対象にしているので、ESUを契約して2028年10月まで延命する場合標準搭載されているWindows Defenderしか選択肢が無くなる可能性があるというのは頭に入れておいても良いでしょう。信頼を失っているAvast!とかAviraあたりなら延長サポートしてくれるかもしれないけど…
最新ハードウェアでプレイすることを想定しているPCゲームも無論、2025年10月以降はWindows 10を動作対象から外すタイトルが増えてくることが予想されます(エロゲは除く)。
OSのコア部分は2006年リリースのWindows Vistaからあまり変わっていないので(Windows 11は本来Windows 10のFeature Updateとして開発されていたものだし)、おそらくWindows 2000のようにパッチを当ててWindows 11(あるいはその後継バージョン)のみサポートしているソフトを動かすための手段も構築されそうではあるのですが…歴史は繰り返すんだなぁ
ただ、さすがにESUの提供が始まる頃にSky/Kaby Lake世代のPCも、いろいろと限界が出てくることになるでしょうし、Intelも第8世代以前のCore(と同時期のCeleron)向けドライバーアップデートを終了していて、内蔵GPU周りの脆弱性は基本的に修正されず、放置されています。
ESUが個人ユーザー向けに提供される・されないにかかわらずサポート終了までにPCの乗換を検討することをおすすめします。
どうせならWindowsなんて捨ててまかーになってもいいんだよ!?!?!?!?!?(かのあゆは結局大好きなWindowsを捨てることは無理だった…だってお仕事でWindows使う機会多いんだもん…)
どうしても使い続けたいのであれば、むしろWindowsにこだわるのではなく、LinuxやChrome OS Flex(個人的には微妙すぎてあまり進めたくありませんが…)といった別OSへの乗換を検討した方が「最新ソフトが使える」という意味でも無難な選択になると思います。
Microsoft Officeは(WEBアプリを除いて)使えなくなっちゃうけど…LibreOfficeやGIMP、Chromeなどはそのまま使えますし、WineでWindows向けアプリを動かすことも出来ますし、OneDriveとの同期も(一応)可能なので、新しい環境に移行するのに抵抗がないのであればむしろ進化を止めたWindows 10より快適に古いPCを延命することができます。Haswell以降であれば十分なパフォーマンスで動いてくれるディストリビューションが多いのでLinuxあたりは有力かもしれませんね。ド変態ならFreeBSDがオヌヌメ
あとはWindows互換OSのReAct OSがαからベータに移行してくれれば…
関連リンク
Windows 10 サポート終了とWindows 11 ESUの予定について:Microsoft(いつの間にか日本語に翻訳されていました。個人ユーザー向けのESUプログラムも含め、ESUプログラムの今後のアップデートにご期待してネ!と記載されていますが、正直今のMicrosoftは方針をコロコロ変えるのであまり期待しない方が良さそうです)
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