
あまりにも不安定な状態でリリースされてしまったため、個人的にもネガティブなイメージが強くなってしまったWindows 11 2024 Update(Version 24H2)ですが、便利な新機能もいくつか存在しています。
その中の一つに「Windows 11のインストールメディア(ISOイメージ、USBメモリ等)を用意しなくてもインプレースアップグレードを実施して破損したシステムファイルを修復できる」という機能があります。

通常Windowsのシステムファイルが破損した場合はまずコマンドプロンプト(Windows ターミナル、PowerShellでも可)
- イメージ操作ツールのDISMで「dism /online /cleanup-image /restorehealth」を実行し、Windowsイメージを修復
(場合によってはその前にシステムファイルをキャッシュしている%windir%¥SXSフォルダをクリーンアップするため、先にdism /online /cleanup-image /startcomponentcleanupを実行) - システムファイルチェッカー(SFC.EXE)で「sfc /scannnow」を実行してシステムフォルダ内の破損ファイルを修復
※システムファイルチェッカーを先に実行してしまうと「イメージ内に含まれている破損したシステムファイル」で修復を行ってしまうため、先にdismでWindowsイメージの破損チェックと修復(デフォルト設定ではMicrosoftサーバー経由で修復が実行されます。当然インターネット接続は必須)
という作業を行うことで大体の場合は破損したシステムファイルが修復されるのですが、場合によってはDISMとシステムファイルチェッカーを使用しても修復が出来ない場合があります。
その場合はWindows 9x時代から存在していた古の修復方法である「Windowsのインストールメディアを使用してインプレースアップグレードを実施する」ことにより、動作不良の原因がWindowsのシステムファイル破損であればほぼ確実に解決します。
通常インプレースアップグレードは旧バージョンのOSからアプリ・ユーザーデータを残したまま、新バージョンに文字通り「アップグレード」するための手段となりますが、システム修復で行う場合は破損したシステムイメージをまるごと入れ替えるので、DISMとシステムファイルチェッカーで修復できない状態でも大体の場合は問題が解決する場合がほとんどです(ただし、動作不良の原因がハードウェア側の不具合であったり、インストールされているソフトウェア関係の問題である場合はまた別の対応が必要になりますが・・・)。
ただし、上記手順を実行するには当然現在インストールされているものと同じ大型アップデートが適用された(※ビルド自体はどれでもよい)Windowsのインストールメディアが必要になりますが、旧OSから何回かアップデートを繰り返した環境だとわざわざMicrosoft公式サイトからメディアクリエイションツールを使ってインストールUSBを作成するか、isoイメージをダウンロードし直す手間がかかります。

Windows 11 2024 Updateでは設定アプリ内の「システム→回復」メニューに「このPCをリセット」という項目が追加されていて、これを実行することでわざわざWindowsのインストールメディアをダウンロードすることなく、自動的にインプレースアップグレードを実施して破損したシステムファイルを簡単に修復できるようになりました・・・まぁ結局やってることは同じではあるんですけどね。
「このPCをリセット」を実行すると自動的にWindows Update経由で現在インストールされているものと同じバージョンのWindows 11 2024 Update(以降)の「修復イメージ」が自動ダウンロードされます。「修復イメージ」という名称になっていますが、中身は通常のWindows 11インストールイメージそのものとなります。
ダウンロードが終わると自動的に上書きアップグレードが実行されます。結局約6GB程度のOSイメージをダウンロードするという作業自体は変わりませんが、Microsoftのサイトから手動ダウンロードするよりはある程度手間が省けますし、DISMやシステムファイルチェッカーでもどうしようもなくなってしまったのであれば試す価値はあります。これでもダメだったら必要なデータをバックアップして素直にクリーンインストールし直した方がいいネ・・・
なお、通常のインプレースアップグレードと同じく、「このPCをリセット」を実行すると最小システム要件を満たしているかどうか確認するためのアップグレードチェックが再度実施されるので、Rufusなどでシステム要件を満たしていないPCにWindows 11を導入している場合は処理に失敗します。
この場合再度Rufusなどシステム要件チェックをスキップするよう改変したインストールメディアで手動インプレースアップグレードを実施すれば同じことができますが、現在も存在している「わかっていてやってる悪意のある業者が販売しているシステム要件を満たしていないWindows 11搭載中古PC」を使っている方だとそもそもこの手段すらわからず、販売元の業者も一切サポートしてくれない可能性が高いので注意が必要・・・というか、そのような中古PCは買ってはいけません。どうにかなんねぇかなぁこれ・・・
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