hp Elite Dragonfly G1(ジャンク)実機レビュー ー 法人向けとは思えないドチャクソいけてるモバイルノート

Microsoft Windows 11

2020年1月にhpから法人向けモデルとして発売されたhp Elite Dragonfly(G1)・・・のジャンク品の実機レビューです。あくまでジャンク品としての実機レビューとなるため、ガジェット好きなガジェクラさん以外にはあまり参考にならない箇所もありますが、正常動作している箇所については通常中古商品、あるいは筐体デザインがほぼ共通の現行モデルを購入する際の参考になると思います。

hpといえば法人向けモデルでもコンシューマー向けに展開しているPavilion/Victus等と同じくスタイリッシュな筐体と名門オーディオメーカーチューンドステレオスピーカーを採用しているのが特徴で、現行モデルであるhp EliteBook X(G1)やOmnibook(消滅してからえらく時間が経過していた関係か、最近新規で登場したブランドのように記載しているサイトも一部存在しますが、初代モデルは1993年に発表されている、知る人ぞ知るhpの名門ブランドの一つです)でもその流れはしっかり継承されています。EliteBookだとなぜかディスプレイのリフレッシュレートが120Hz表示までサポートされているド変態も2018年に発売されていたりします。いややること早すぎだし法人向けでry

※本記事より実機レビューについては当ブログで使用している特殊な端末名ではなく、正式な端末名を用いるよう方針を変更しています。詳細等は別途説明記事を準備する予定です。

スペック

  HP Dragonfly G1(※かのあゆ購入個体)
OS Windows 11 Pro 2024 Update(24H2)
CPU

Intel Core i5-8265U

外部GPU んなもんない(ぉ
RAM 8GB
ストレージ

256GB PCIe-NVMe SSD(Gen 3)

光学ドライブ なし
ディスプレイ

13.3インチIPS(1,920 × 1,080)60Hz

ネットワーク

802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5

入出力 USB 3.1 Type-C × 2、USB 3.1 × 2、USB 2.0、HDMI、イヤホンジャック、、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(92万画素)
バッテリー 38 Whr
サイズ

304.3 ×197.5 × 16.1 mm

重量 999 g

概要

前述の通り、hp Elite Dragonflyの初代モデルが発表されたのは2020年1月で、すでに第10世代Core(実質ただの第8世代のリネームでしかなかったComet Lake、Ice Lake)も投入されていますが、あえて第8世代Core(Whiskey Lake)を採用しています。購入時Core i5-8265U(今回のレビュー機)、Core i7-8565Uのいずれかを選択可能でした。

すでに発売から6年目を迎えてしまっていますが、Windows 11を(今のところは)公式サポートしていますし、前世代の第7世代Core i5・i7(Kaby Lake)と比較すると2コア4スレッドから4コア8スレッドに変更されたため、ビジネスアプリ(Microsoft 365 Apps)やWEBブラウジングといった軽作業はもちろんのこと、FHDのホームビデオ程度であれば動画編集も一通りこなすことができる性能は有しています。ただいまはもう廉価CPUのIntel N100・150が性能面では追いついてしまっているのでいろいろと複雑な気持ちではありますが…

OSはWindows 10 May 2019 Update(Version 1903)で、ドメイン参加やローカルグループポリシーによる利用制限が設定可能なProだけでなく、法人向けモデルとしては珍しく一般家庭向けのHome SKUも選択可能でした。当然後からWindows 11にアップグレードすることも可能です。

RAMは8/16GB(LPDDR3、オンボードのためユーザーによる増設は不可)、ストレージは128GB(NVME SATA)/256GB/512GB(PCIe-NVME)という構成になっていました。また処理を高速化するキャッシュメモリ「Intel Optane」搭載モデルも選択することが出来ました・・・そういえばOptane搭載機未だ一回も使ったことないな・・・(ぉ

Wi-Fiは当時最新規格として登場したWi-Fi6(802.11 ax)をサポートするIntel AX200を搭載するほか、構成によっては国内キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)をサポートするLTE WWANモジュール搭載モデルを選択することも可能でした。

一応コンディションはほぼ新品と言っていい状態ではあるのですが、あくまでジャンク品ですし、バッテリーを使い切った個体もそろそろちらほら出始めている時期になってきているため実際の稼働時間については当レビューでは触れませんが、メーカーが公式発表している、新品での最大連続稼働時間は標準バッテリー(36 Whr)で16.5時間、オプションで選択できた大容量バッテリー(56 Whr)で24.5時間でした。

重量は最軽量モデルで約999 g、後述するプライバシーフィルター機能「hp Sure View Reflect」とWWANモジュール、大容量バッテリー(56 Whr)を搭載したモデルでも約1.16 kgという驚異的な軽さを実現。発売時点で富士通のLIFEBOOK U(法人向け)・UH(個人向け)シリーズが同じく第8世代低電圧版

Coreを採用しながら698 gとさらに驚異的な軽さを実現していましたが、13.3インチの2 in 1コンバーチブルタイプのモバイルノートとしては発売当時世界最軽量を謳っていました。

ディスプレイ、スピーカーの仕様については使用感の項目で説明いたします。

筐体

本来であればマニュアルや純正ACアダプター(USB PD対応45W出力タイプ)などが付属していますが、当然ジャンク品なのでそのような物は付属していないので割愛させていただきます(ぉ

筐体色はdragonflyシリーズ専用色である「ドラゴンフライブルー」。ショップでジャンク含む中古個体をチェックしていた頃から感じていたことなのですが、深みのある青色とフラッグシップモデルのみに許された「hp」ロゴが本当にかっこいいですよね!実質後継モデルのEliteBook X G1でもこのデザインはしっかりと継承されています。

底面です。ネジは良くあるT4トルクスドライバーで外せる、よく見られるタイプの物ですが筐体色に合わせて青色になっているのがまたかっこいい・・・

前述の通りRAMはオンボード仕様ですが、SSDや内蔵バッテリーは簡単に換装・交換できる設計になっているのでSSD抜き取り済みジャンクを安価に調達して大容量SSDを突っ込むのもありだと思います。

ディスプレイを開口した状態で前面を。この辺あたりからコンシューマー向けモバイルノートでは狭額縁ベゼルを採用した製品がちらほら出回り始めた時期だったわけですが、これ法人向けモデルですよ!?

最終モデルとなったDragonfly(G3)で微妙にデザイン変更されましたが、正直発売から5年経過した今でも十分通用するデザインだと思います。コンシューマー向けに展開されているEnvy X3シリーズに通じるかっこよさですよね。Hpのモバイルノートは本当この辺魅力的だと思っています。しっかし本当かっこいい・・・

撮影環境の都合上少し見づらくなってしまってしまっています・・・申し訳ございません。左側面にはUSB 3.1 Type-Aポートと電源ボタン、ケンジントンロック(セキュリティロック)が配置されています(WWANモジュールのみSIMスロットもこちら側に配置されています)。

右側面にはUSB Type-C(Thnderbolt 、USB PD対応) × 2、3.5 mmイヤホンジャック、HDMIポートが配置されています。hpの法人向けモバイルノートだと未だにDC-INジャックを搭載しているモデルも存在していますが、薄型軽量を目指して開発されたElite dragonflyには配置されていません。

そもそもUSB PD規格も普及してだいぶ経過しているので逆に「普通の」ProBookとかEliteBookにわざわざ専用ACアダプターを付属させる必要も無いんじゃないかなと思っているんですけどね・・・

2 in 1タイプのコンバチーブルタイプなので当然ディスプレイは360度回転し、動画コンテンツを複数人で楽しむ際に重宝する「テントモード」、Windowsタブレットとして使用出来る「タブレットモード」に切り替えることも可能です・・・可能なんですけどやっぱりタブレットとしてはこのサイズだと個人的には大きすぎるんですよね・・・()

ディスプレイ

ディスプレイは13.3インチサイズで、解像度は全モデル10点式マルチタッチに対応するFHD(1,920 × 1,080) IPS液晶のみ選択可能。プライバシーフィルター機能「HP SURE VIEW REFLECT」搭載を選択することも可能でしたが、今回購入したジャンクDragonflyは「Made In TOKYO」ラベルが貼られていることからもわかるとおりHP SURE VIEW REFLECT非搭載モデルとなります(日本国内工場生産モデルはHP SURE VIEW REFLECT非搭載モデルのみ選択可能でした)。

発売当時に各メディアの実機レビューでも取り上げられていましたが、表示品質もいい意味で「法人向けにはもったいない」レベルとなっていて、OLED(有機EL)パネルに迫る美しい画質を実現しています。ジャンク品ながら白シミ等も見られず、本来のディスプレイ性能の高さを十分堪能することが出来ました。ただし光沢加工が施されたグレアタイプのパネルなので野外で作業する際はちょっと反射が気になるかも・・・

キーボード

一応先に書いておくと今回購入した商品のジャンク理由は「Enterキーが割れている」というもので、そのほかOSインストール後一部キーボードがチャタリングぎみになっている、タッチパッド反応が鈍いなどの不具合も確認しているのでこれから通常中古品を購入される方の参考にはあまりならないかもしれません。

キーピッチは標準的な19.5 mmでキーストロークは浅め。全体的に打鍵感は良好で快適に文章を打ち込めるキーボードなのですが、画面のスクリーンショットでよく使う「Print Screen」キーが「右SHIFTキー」に統合されていたりするなど日本語配列のキーボードとしてはちょっと癖が強い点は少し気になってしまいました。まぁ慣れればどうということでもありませんが・・・(無論このレビューも実際にDragonfly(G1)で執筆しています)。

法人向けモデルでも発売当時は比較的お高めなプレミアモデルということもあり、キーボードバックライトが標準で搭載されています。特に薄暗い場所で作業する際重宝するのであるとやっぱり助かります。

スピーカー

hpは2013年から2023年まで名門オーディオメーカー「BANG & OLUFSEN」とコラボレーションを行っており、中古市場でも腐るほどよく見かけるProBookシリーズからコンシューマー向け高級モデルに至るまでBANG & OLUFSENチューンドステレオスピーカーがほぼ必ず搭載されていました。

コンシューマーモデルも一応販売しているパナソニックのLet’s Noteシリーズが長年「音なんて鳴ればいいんだろ!」というレベルのモノラルスピーカーを採用していたことを考えると法人向けモデルでもスピーカーの音質にこだわりを見せるhpは本当にド変態だと思います(褒め言葉)。

あくまで「チューニングを担当」なので本家BANG & OLUFSE製品と比較するのはナンセンスですし、あくまでモバイルノートのスピーカーであることを考慮すべきですが、それを踏まえても音質は本当に素晴らしいと思いました。テントモードでも使えるのでキャンプに行った際にテントの中で寝っ転がりながら動画コンテンツを見て一日消耗しても楽しいかもしれないですね。ことしはちょっといろいろ時間調整が厳しいですが、いずれソロキャンプをやってみたいとは思っているのでそのときに是非連れて行きたいと思っています。

専用ユーティリティ等独自要素

Windows 8で「システムの回復」という形で公式リカバリーが用意されたこともあり、リカバリーメディアはもちろんのこと、「真の意味で」工場出荷時の状態に戻すことが出来るOEMリカバリーパーティションすら用意していないメーカーがほとんどになってきましたが、hpの場合は「HP クラウドリカバリー」ツールを使用することでリカバリーメディアを作成することが可能です。

HP Cloud Recovery ツールを使用する(Pro、Eliteシリーズ)(文書番号:a50005) | 日本HP LIVEサポートナビ
HPの製品共通のよくあるご質問(OSインストール・更新関連)HP Cloud Recovery ツールを使用する(Pro、Eliteシリーズ)を掲載しています。(文書番号:a50005)

可能なのですが、DellやPanasonicとは異なり、実態は「ただのMicrosoft純正OSメディアに独自ドライバーやユーティリティをセットアップするためのインストーラーを同梱しただけ」というやる気のないもので、さらにいうとおそらく本来は純正OSイメージに含まれているであろう「HPサポートアシスタント」も同梱されていません。たしかにOSそのものは工場出荷時にプリインストールされていたWindows 10 May 2019 Update(Version 1903)なのですが・・・

最近ではよほど特殊すぎる機種でも無い限り、基本Windows Update経由でそのPCに対応する、最新のドライバーが(UEFIファームウェアアップデート含め)適用可能ですし、HP サポート アシスタントでほぼ純正イメージに近い環境を構築できるので、わざわざとうの昔にサポートが終了したOSをクリーンインストールするだけのHPクラウドリカバリーを使用する必要性はないでしょう。特にシステム情報にOEM情報が追加されているわけでもないので・・・

他社にもに多様なユーティリティ(Lenovo Commercial Vantage、My ASUSなど)が用意されていますが、ハードウェアの保証期間やドライバー・ユーティリティの更新、システム設定などを一括で管理できるユーティリティ「HP サポートアシスタント」はかのあゆのようにOSがインストールされていない中古・ジャンク品をよく購入するユーザーにとっては非常にありがたいツールです。

前述の通り、「HP クラウドリカバリー」を用いて作成したリカバリーメディアにも含まれていないので、純正OS環境が残っていない中古・ジャンク品を購入した場合は別途下記サイトよりダウンロードする必要があります。

HP Support Assistant | HP® Support
オールインワンサポートソリューションであるHP Support Assistantをダウンロードします。自動修正、カスタマイズされたサポート、自動アップデートなどの機能が特長のHP Support Assistantを今すぐお試しください。

ベンチマークテスト

PC MarkやCineBenchを回した結果を記事に取り上げるのもだいぶ久しいような気がします(ぉ

当ブログとしてのサンプルはまだありませんが、今後リスト化した上でレビューに参考値として掲載する予定です。まずWEBブラウジングやテレワーク(ビデオチャット)、オフィスソフト(Libre Office 5)、画像編集ソフトの利用(GIMP 2.8)、動画編集といった実利用を想定したPC Mark 10の総合スコアは2,299点という数値を計測しました。最新世代のPCはもう今のところベンチを回せる機会が無いのでアレですが、かのあゆが所有している第11世代Core i5搭載ノートが概ね4,000点程度計測しているので、今となってはその半分くらいの性能ということになります。

Atom系列のアーキテクチャを採用しているIntel N100(Alder Lake-N)が総合スコアだけ見ればほぼ同じようなスコアを計測しているので時代の流れを感じてしまいますが、逆に言えばビジネスアプリ(Microsoft 365 Appsなど)やWEBブラウジング、メールチェックなどの用途がメインであれば2025年現在でも十分現役で活躍できる性能を有しているということでもあります。実際に使っていて最新世代のCore Ultra搭載機と比較しても体感的な差はほぼ感じていません。

当ブログでは久々のPCレビューということで、現時点では比較対象がいないので比較しようがないのですが、一応Cinebench R23のベンチマーク結果も貼っておきます。

前述の通り性能面ではエントリークラスのPCに採用されているIntel N100に追いつかれてしまいましたが、腐っても4コア8スレッド(Intel N100は4コア4スレッド)構成のCPUなのでマルチスレッド性能が求められる場面においては第8世代Core i5・i7のほうが有利です。

簡単な動画編集であれば(当時からいわれていましたが)フルHDまでであれば十分対応可能ですが、4K以上になるとさすがに今となっては重荷になってくるので、もう少し予算を追加できるのであれば通常中古も4万円台に下がってきている第11世代Core i5・i7搭載ノートの購入をおすすめします。HP DragonflyだとG2が第11世代Coreを採用していますが、そもそも初代モデルでも美品に近いコンディションだと今でも3万くらいが相場なので・・・()

おそらくもともと搭載されていたものだとおもうのですが、SSDはPCIe-NVMe Gen 3規格に対応するSK hynixの「BC501 HFM256GDJNG-8310A」が搭載されていました。

一応リード性能についてはPCIe-NVMe規格のSSDらしい速度がちゃんと出ているのですが、書き込み速度がeMMC並に遅い点が少し気になります。実際に使っていてファイル書き込みを行う際に突っかかりを感じる場面も多々あったりするのですが、購入報告記事でも取り上げたとおりそもそもS.M.A.R.Tでクリティカルエラーを吐いているので近いうちに壊れる可能性が高そうです・・・

そもそもSK HynixのSSDってネット上でもあまりいい評判を聞きませんし、プレゼント企画で当たったSATA SSDが数ヶ月後に読込み不良を起こしてデータを失ったこともあったのであまり・・・()

一応しばらく様子を見るつもりですが、これがDragonfly(G1)本来のストレージ性能というわけでは絶対無いと思っているので換装する時期になったら改めてベンチ結果を追記する予定です。

まとめ

HP Dragonfly G1の中古相場価格はコンディションがきれいな個体であれば概ね3万円台~となります。第8世代Core搭載モバイルノートとしてはちょっとお高めな価格設定ですが、発売時期が2020年と比較的新しいのと、そのスタイリッシュな筐体から人気が高いモデルということなのでこの辺は仕方がないかなぁと・・・

ジャンク個体は秋葉に出店している「OraOra」さんのジャンクコーナーなどでSSDが抜き取られた個体であれば15,000円~20,000円程度で販売されています。企業向けに展開されていたモデル故、場合によってはBIOSパスワード、起動パスワードが設定されていて本当に部品取りにしかならない個体にぶち当たる可能性があるので、その点をチェックすることをお勧めします。

SSDが搭載されていて一通り起動する個体が1万を切るのは珍しいので、そういう意味では言い買い物ができたと思っています。Dragonflyシリーズは第13世代Core(Raptor Lake)を搭載するGen 3までモデルチェンジを繰り返した後、モデル消滅・・・というよりブランド統廃合で誕生した「HP EliteBook X G1 2 in 1」が実質後継に設定されているモデルなのではないかと思われます。ほら筐体色も青いし・・・

一応個人ユーザーでも購入することは可能だったようですが、基本法人向けに展開されていたモデルでありながら本当にスタイリッシュでかっこいい2 in 1コンバーチブルモバイルノートで、ドチャクソ軽いので毎日持ち出したくなってしまいます。本当に購入して良かったです。大好き!

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