完全にシステム要件を満たしていない骨董PCにRufus等のサードパーティツールを使わず、オリジナルのインストールメディアから無理矢理Windows 11をインスコするには

Windows 11 2024 Updateから大幅にカーネルが変更されたため、システム要件を満たしていないPCに導入した場合そもそも本当に互換性の問題が発生する可能性もありますし、間違ってもガジェット知識が無い一般ユーザーにはおすすめもしたくありませんが、一応Microsoftがサポートページから削除した「検証用途としてシステム要件を満たしていないPCでもWindows 11をクリーンインストールする」手順自体は現在でも有効化できます。

ただし、Microsoft出公式案内している手順だとあくまで回避できるのは「CPUチェックとTPM 2.0の搭載チェック」のみで、「セキュリティチップとしてTPM 1.2の搭載」は最小要件として必須とされているため、何らかの事情でfTPMすら有効化できない一部メーカー製PC(具体的にはわんみとか林檎あたり)だとこの手順を実施してもWindows 11をインストールすることは出来ないため、Rufusなどのサードパーティ製ツールを使用してインストールイメージを改変したカスタムインストールメディアを作成する必要があるのですが、実はRufusが利用している手順もWindows 11に標準で備わっているレジストリ項目をあらかじめインストールメディアに含まれているOSイメージ(install.wim/install.esd)に設定しているだけなので、Microsoft純正イメージでも少し手を加えれば「搭載CPU・TPM・RAM容量を完全に回避して無理矢理超低スペックPCにWindows 11をクリーンインストールすることは可能です。

Microsoftがかつて案内していた手順は以下の通りとなります。

  1. インストールメディアからWindows 11セットアップを起動した状態でCTRL + F10キーを押下してコマンドプロンプトを起動
  2. コマンドプロンプトが起動したら「REGEDIT」と入力してレジストリエディタを起動
  3. 「HKLM\SYSTEM\Setup\MoSetup」キーを開き、「AllowUpgradesWithUnsupportTPMorCPU」というDWORD値(32bit)を新規作成して「1」に設定する

この手順を行った場合、セットアッププログラムで通常インストール前に実行されるCPU要件チェックとTPM 2.0搭載チェックはスキップされますが、TPM 1.2搭載、セキュアブート有効化、RAM容量(4GB以上搭載必須)チェックはそのまま実行されるため、「TPM 1.2チップすら搭載されていない」「セキュアブートを有効化できない」「RAM容量が4GB未満」場合は要件チェックに引っかかってしまい、セットアップを続行することは出来ません。

これらの環境で無理矢理Windows 11をクリーンインストールしたい場合、以下の手順を実施することで完全にシステム要件チェックを無効化することが可能です。

  1. インストールメディアからWindows 11セットアップを起動した状態でCTRL + F10キーを押下してコマンドプロンプトを起動
  2. コマンドプロンプトが起動したら「REGEDIT」と入力してレジストリエディタを起動
  3. HKKM\SYSTEM\Setupキーを開き、「LabConfig」キーを新規作成してから以下のDWORD値(32bit)を新規作成し、すべて「1」に設定する

BypassCPUCheck(CPU要件のチェックを回避)

BypassTPMCheck(TPM 1.2含めTPMセキュリティチップ自体の搭載チェックを回避)

BypasssRAMCheck(Windows 11のシステム要件であるRAM 4GB「未満」のPCでも無理矢理インストールできるよう、RAM容量チェックを回避 ※RAM 4GBでももういろいろ無理と言われていますが、真面目にパフォーマンスが著しく低下するのでWindows 11が起動する下限スペックのPCで動かせればそれだけで欲求を満たせるド変態でもない限りこの項目を有効にするのはお勧めしません

すべてのキーを設定してからレジストリエディタとコマンドプロンプトを閉じ、通常通りセットアップを行えばシステム要件を全く満たしていないPCでも通常通りWindows 11をクリーンインストールできるようになります。

ただしこの手順を実施しても「命令セットとしてSSE 4.2、POPCNT命令必須」「CSM/BIOS環境ではなく、UEFI環境必須」なのは変わらないため、Core 2 Duoを搭載している骨董品PCにはどうやっても2024 Update以降のWindows 11を導入することは出来ません。

一応CSM(旧BIOS)環境でもOSとしては起動可能ですし、組み込み向けSKUのWindows 11 IoT Enterpriseだと最新のWindows 11 2024 UpdateベースでCSM(BIOS)環境でも起動可能、TPMセキュリティチップの搭載も必須ではありませんし、通常のSKUでもCSM(BIOS)環境インストールするための手順自体はありますがDISMでイメージ展開してからブートセクターを書き込む作業が必要になるなど非常にめんどくさい上、基本2010年以降に発売されたPCであればIBM PC時代からずっと使い潰されてきた旧BIOS環境ではなく、UEFI環境に移行しているはずなので当ブログでは手順を紹介する予定はありません。

また「旧PCを救済するための仕組み」ではなく、あくまで「検証用」で未だ残っているだけのレジストリ設定なので、今後のアップデートで完全に塞がれる可能性がありますし、その場合(この手順で各種要件チェックを回避しているのであれば)Rufusなどのサードパーティ製ツールでもシステム要件チェックのスキップはサポートされなくなるものと思われます。

この手順を実施しても結局のところ、インストールできるのは「第1世代Core以降を搭載する、2010年以降に発売したPC」のみですし、この頃のPCだとWindows 10ですら公式サポートから外されているような世代なので快適・・・どころか実用的に使えるかどうかすら微妙なので、低スペックPCで最新OSを動かすことに喜びを感じるド変態やよほど愛着がある機種でリスクも覚悟の上で最後まで看取るつもりで無理矢理Windows 11を導入したい方でもない限り、昨日投稿した記事にもあるとおり実質無条件で1年間は無料で拡張延長サポートを利用できるWindows 10のまま使い続けながら乗換を検討するか、Linux、ちょろめOS等の別OSへの移行を検討することをお勧めします。あと間違っても一般ユーザーにはお勧めしません。未だこの手順を踏んで無理矢理システム要件を満たしていないWindows 11プリインストール中古PCを売りつけ続けている悪徳業者は滅んでほしいねぇ!

※Windows 11 2024 Updateのインストールメディアで上記手順を実施してシステム要件回避を実行できるのは確認済みですが、仕事中に思いついてそのまま記事化しているため実際のスクリーンショットは明日以降追加いたします。

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