Amazon.co.jpを眺めているとSamsungやXiaomiが販売しているオープンマーケットモデルや、国内でも積極的に製品展開を行っているBlackview、Oukitel、Teclastに混じって聞いたこともないメーカーのスマートフォンが販売されているのをよく見かけるようになりました。
ほとんどの場合、有名メーカーの端末に似たデザインと高いスペックを謳いながら異様に安価な値段で販売されていますが、お勧めしません・・・というより、購入しないでください。
1. 製品自体は(おそらく)届くが・・・
ガジェット関連に限らず、いまやAmazon.co.jpでは平然と「怪しい」商品も販売されるようになってしまいましたが、このようなスマートフォンはAliExpressでよく見かける製品で、「どこかで見たことある」の筐体デザインで、「価格の割に高いスペック」をアピールしています。
商品名もどこか「それっぽく」なっているのがさらに悪質です。上記端末だとSamsungのGalaxy S23 Ultraとよく似た端末名で販売されていますが、もちろんSamsungから販売されている製品ではありませんし、製品クオリティも別物です。
円安が進んでしまっている中、本当にハイエンドクラスの性能を持つ、質感の高い筐体のスマートフォンが安価に購入出来るのであればお買い得・・・なのですが、もちろん実際にはそのような製品ではありません。
国内に商品の在庫を置いているプライム発送に対応している場合もありますし、よほど悪質な業者でもない限り商品自体は発送されますが、ほぼ確実に商品ページのものとは異なるものが手元に届くことになります。
2. OS、搭載CPU偽装は当たり前、3Gしか使えない常用不可な端末
このような製品は商品ページに掲載されている端末画像だけでなく、Android OSのバージョン、CPU、RAM・ストレージ容量、カメラのスペック等、ほぼすべてが「嘘」で塗り固められていて、設定画面にあるシステム情報では「Android 14、16GB RAM、ストレージ1TB、Snapdragon 8 Gen 3」と表示されていても、実際には「Android 8.0 “Oreo”(酷い場合だと10年前にリリースされ、既にGoogle関連のサービスも利用できないAndroid 4.4 “Kitkat”の場合も)、12GB RAM、ストレージ16GB、3GしかサポートされていないMediaTekのエントリーCPU」である場合がほとんどです。
CPU性能は現在販売されているエントリークラスの製品以下なので、「原神」をプレイするなんてもってのほか。WEBブラウジングやメールチェックといった普段使いですら常用するのは厳しいだけでなく、モバイルネットワークもau、ソフトバンクでは既にはサービス終了、ドコモも2026年3月を持って停波する予定となっている3G回線しかサポートされていないので、「携帯電話」としての利用も厳しい製品です。
もちろんカメラ性能も今のエントリークラス以下で、ブログやSNSはもちろんのこと、メモ代わりに活用するのも厳しいものがほとんどです。スマートフォンだけでなく、タブレットでもこのような製品がAmazon.co.jpでも販売されているので、購入する際は注意が必要です。
3. Amazonだから安全というわけではない。信頼できるメーカーの製品を
ガジェット好きからするとこういった「怪しい」スマートフォンはネタとして面白いと思いますし、BlackviewやTeclastといった中国メーカーの製品も年々ビルドクオリティが上がっていることを踏まえると逆にどれだけ酷い製品なのか興味は沸くのですが、スマートフォン・タブレットとして常用できないだけではなく、場合によってはファームウェアに悪意のあるマルウェアが仕込まれている場合もあるので個人的には購入するのはお勧めしません。おそらく何かトラブルがあった場合もメーカーとしてのサポートはあまり期待できないでしょう。
Androidスマートフォンが普及し始めた2010年初め頃は秋葉原のショップでもこのような端末が「中華スマホ・タブレット」として低価格で販売されていましたが、端末性能が大幅に向上してきた今となっては「安物買いの銭失い」にしかなりませんし、中国メーカーでも前述のBlackview、Teclast、Oukitelといったメーカーの端末は年々製品の品質も上がってきていて、技適も取得した上で販売しているので、間違ってもこのような怪しい端末を購入するのはお勧めしません。
※当初ウインタブさんで出す予定だったのですが、どうしてもネガティブ目な内容になってしまってサイトの雰囲気に合わないのと、正直書いていて気持ちよくないので予定を変更して個人の方で出すことにしました。
ネタで笑える製品ならいいのですが、正直情報漏洩に繋がるような危険性もありますし、叩くために購入したくないので今後もこの手の商品を個人・寄稿ともにレビューする予定はありません。
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