ベェオでは「ステレオミキサー機能」が昔から無効化されている ー おさふぇちんぷろなどの他メーカー製PCでも利用できない場合も

今となっては有効化が必要な場面は減ってきているが・・・ Microsoft Windows 11
今となっては有効化が必要な場面は減ってきているが・・・

実装されていて当たり前と思っていた上に、そもそも最近では個人利用で有効化するシーンも全くなくなったので意識すらしていなかったのですが、ベェオ株式会社から販売されているベェオにはPCの音声を取り込むことができる「ステレオミキサー」機能が用意されていません。

ベェオはソニー時代も含めると1996年から28年間、様々なモデルが投入されているので、いつからこういう仕様になったのか不明ですが、少なくとも2014年にソニーがPC部門を売却してベェオ株式会社として独立する前に販売されていた、Windows XP~Vistaプリインストールモデルあたりから既にそういう仕様になっていたようです。

[VAIO PC] ステレオミキサー機能を使用したい:ベェオ株式会社

ちなみにベェオ以外だとMicrosoftのおさふぇちんぷろシリーズでもハードウェアレベルで無効化されているようです。

Windows 10/11に標準インストールされている「XBOX Game Bar」のスクリーンキャプチャー機能などではWindows 7以降で標準サポートされるようになったWindows Core Audio API(WASAPI)を使用することで、ステレオミキサーが利用できない環境でもPC上の音声を取り込むことが出来るので特に問題にはならないのですが、ZoomやGoogleドキュメントの文字起こし機能を利用する場合、現状WASAPIをサポートしていないため、

  • 仮想オーディオデバイスを導入する
    ソフトウェアでオーディオミキサーと同じ機能を提供するソフトを別途導入すれば、ベェオやおさふぇちんぷろでもGoogleドキュメントやZoomの文字起こし機能でPC上の音声を入力先として選択できます。

    有名なものだとVB-Audioが提供している「VB-CABLE Virtual Audio Device」が有名で、これにオーディオミキサーアプリを追加した「VOICEMEETER」もリリースされています。

    ただし、個人利用は無料(気に入ったらお金を払ってほしいな!というドネーションウェア)ですが、商業利用ではドライバのみ提供されているVB-CABLE含めライセンスを購入する必要があるので、企業によっては制限により導入できない場合があります。
  • 外付けハードウェアステレオミキサーを購入する
    専用の外付けオーディオミキサーを別途購入し、PCに接続することで、WASAPIをサポートしていないソフトでもPCの音声を直接取り込むことが出来ます。値段はピンキリで安いものだと1,000円台、高い商品だと20万以上する製品も存在します。

    ただ正直個人利用で使用するのであれば、わざわざこんなものを購入しなくても前述の「VB-CABLE」の導入で十分対応出来ますし、会社で利用する場合も外付けデバイスの利用が制限されている可能性があるのであまりお勧めはしません・・・
  • イヤホン分配ケーブルを購入する
    仮想オーディオデバイスの追加も外付けハードウェアの購入も難しいのであれば、最も安くてなおかつ手っ取り早いのが「音声入力を2つに分けられる分配ケーブルを購入する」ことです。マイク入力がないPCでは4極に対応している製品を購入する必要がありますが、ダイソーでも税込110円で購入出来てしまいます。

    要するにPCの音声をループさせればいいので、マイクジャックに分配ケーブルを接続して音声の入力先をマイクに変更し、さらに出力した音声をPCのスピーカーで鳴らすように変更すればオーディオミキサーが無効化されているPCでもGoogleドキュメントやZoomの文字起こし機能が利用できるようになります。

分社化してからは法人向けモデルも出すようになったこともあって、「ただのかっこいいビジネスノート」に成り下がってしまった印象もあるベェオですが、ソニー時代は初代モデルからビデオ編集やオーディオ録音といったマルチメディア機能を売りにしていたので、正直オーディオミキサー機能は当然搭載されているものと思っていたので「昔からない」と知ったときは少しびっくりしました。

サウンドチップ(Realtek HD Audio)では実装されているのですが、わざわざハードウェア側でも無効化しているので、Realtek自身からリリースされているジェネリックなドライバに入れ替えても少なくともベェオではサウンドミキサーは有効になりません(さらに言えば、メーカー製PCが配布しているドライバはその機種用にカスタマイズされているので、チップセットメーカーが提供しているものも含め、公式でないドライバを導入することは推奨されていません。場合によっては一部機能が利用できなくなるだけでなく、ブルースクリーンが発生するなど重大なトラブルが発生する場合があります)。

前述のおさふぇちんぷろだけでなく、Lenovoのシンクパヨウでも一部モデルでは無効化されている場合もあるようですし、既にオーディオミキサーを経由しなくてもPC上の音声を取り込むためのAPIが用意されているので、今後同じような事例は増えてくるかもしれません。GoogleドキュメントやZoom側でWASAPIをサポートしてくれればベストなのですが、今のところそのような予定もなさそうです・・・

なおシンクヴォン13s Gen 2では普通に有効化できました。

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