Microsoftが今年になって急に推し始めた「Copilot+ PC」に対応するPCがぼちぼち日本国内でも販売開始となり、各メディアでも実機レビューが掲載されるようになりました。
「200TOPS以上の処理能力を有するNPUの搭載が必須」となるため、既存のPCはすべて要件を満たしていませんが、正直ほとんどのユーザーにとっては「どうでもいい」機能だと思います。
ただでさえ問題になっている生成AI技術 + プライバシーを軽視しているMicrosoft製品との悪魔合体
そもそも生成AI自体、他者のデータを無断で抜き出して流用していることが問題視されている上、「新しいOutlookでメール本文を無断で転送している」「商用OSなのにスタートメニューに興味も無いサードパーティアプリの広告を表示する」など、プライバシー保護を軽視している今のMicrosoft製品と悪魔合体を果たしてしまっているので、「使いたくない」と言うより「絶対無効化するだろうなぁ」と思っています。
「回帰(Recall)」なんかはまさに絶対に無効化する機能の一つで、これ自体がかつてWindows 10で実装したものの、失敗に終わった「タイムライン」機能の焼き直しでしかない上に、タイムライン機能同様個人データをMicrosoftに送信するという仕様になっています。
今のMicrosoftの方針を見ていると「最小限のデータのみ送信している」と言われても全く信頼できませんし、そもそも過去のデータを勝手に保存されるのは非常に気持ち悪いので個人的には興味が無いというより、対応PCを購入したとしてもまず有効化することは無いと思います(当初個人ユーザーアカウント環境ではデフォルトで有効化されているというトチ狂った仕様だったのですが、批判が多かったため任意で有効化する形に変更されています)。過去のデータを取り出したいのであれば従来のバックアップで十分その用途を果たせます。
現時点で発表されている機能がどうでもいいものばかり
現時点で発表されている「Copilot+ PC対応機で使えるWinodws 11 24H2(おそらく正式名称は2024 Updateになるはず)」の新機能が前述の「回帰」と「ペイントでローカルAIイラスト生成が使える」というどうでもいいものばかりで、全く魅力を感じなられないのも問題だと思います。
ペイントはWindows 11になって高機能化していますが、GIMPやPhotoshopと比較するとあくまで「OS標準アクセサリ」でしかないので、わざわざそんなペイントでイラスト生成を利用できてもありがたみは・・・
一応サードパーティにもAPIを公開しているため、Davinci ResolveやAdobe PhotoshopでもローカルAI生成機能を利用できるのですが、積極的に対応するメーカーは少ない印象を受けます。多分数年後には「削除されるOS機能」にリストインすると思う。
そもそも現状ARM SoC搭載モデルしか存在しない
前述したとおり、Copilot+ PCのシステム要件を満たすには高性能NPUが必須となりますが、現状対応しているのはQualcommのSnapdragon X Eliteシリーズしか存在しません。
NPU性能だけでなく、CPU・GPU性能自体も以前のSnapdragon 8cxシリーズより大幅に向上していて、ARMアーキテクチャにネイティブ対応しているアプリであればろぎい・えらいっ!に搭載されているRyzen Z1 ExtremeやMacに搭載されているApple M3より高い性能を発揮してくれるの・・・のですが、そもそもARM版Windows 11にネイティブ対応しているアプリが少なく、改善されたとはいえmacOSのRosseta 2と比較するとエミュレーション精度も微妙なので、現状Copilot PC対応モデルを「普通のノートPC」として購入するのはあまりお勧めできません。
Intel・AMDでもCopilot+ PCのシステム要件を満たすCPUを投入する予定なので、どうしても対応PCがほしいというのであればもう少し待った方がよいのではないでしょうか。
ARM版Windows、昔はロマンもありましたし欲しかったのですが結局エミュレーションの精度が微妙で無駄に高く、バッテリーの持ちもIntel x86-64アーキテクチャ採用PCと大して変わらないのでなんか・・・興味なくなっちゃったんですよね・・・
ぶっちゃけ・・・
わざわざ新しいブランドを立ち上げてまでやるようなものでもないし、そもそもCopilot自体が迷走しているのでぶっちゃけ微妙だし、対応PCを購入する必要もないんじゃないかなぁ・・・・
関連リンク
Copilot+ PC:Microsoft
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